
こんにちは、院長のハラダヒロキです。
今日は、昨夜テレビで紹介されていた五木寛之さんの「大河の一滴」について書きたいと思います。
私は大学生の頃に五木寛之さんの本にハマってた時期がありまして。その頃は通学時間を使って五木さんが書いた様々な本を読んだのを覚えてます。
その中でも特に記憶に残っているのが「親鸞」と「大河の一滴」でした。
「大河の一滴」は1998年に発行され映画にもなっています。そんな20年も前の本がコロナで疲弊している現代でまた売れているということで、昨夜テレビで特集されていました。
そのテレビを見ながら久しぶりに読みたいなぁと思い、本棚の奥から引っ張ってきました。
昨年末に中国の武漢でウイルスが発見されて以来、半年も経たずして世界は様変わりし、私たちの生活もガラリと変わってしまいました。恐竜が環境の変化に対応出来ずに絶滅した様に、私達人間もこの環境の変化に「変化」によって対応していかなくてはなりません。
しかし、そうは言ってもこの先の不安で溢れている世の中です。そんな世の中において、この「大河の一滴」は心の拠り所となり得る様な本だと思います。
本文の一部を紹介したいと思います。
本当のプラス思考とは、絶望の底の底で光を見た人間の全身での驚きである。そして、そこへ達するには、マイナス思考の極限まで降りてゆくことしか出発点はない。私たちはいまたしかに地獄に生きている。しかし私たちは死んで地獄へ堕ちるのではない。人はすべて地獄に生まれてくるのである。しかし、その地獄のなかで、私たちは時として思いがけない小さな歓びや、友情や、見知らぬ人の善意や、奇蹟のような愛に出会うことがある。その一瞬を極楽というのだ。極楽はこの世の地獄のただなかにこそあるのだ。
こんな地獄のような状況にあっても、そんな状況の中だからこそ極楽があると五木さんは書いています。
こんな状況において極楽なんてある訳がないと考えるのも無理はないですが、一歩下がって状況を俯瞰して見ると、実はこんな状況においても一瞬の極楽はあるのではないかと考えるのもひとつの思考方法だと思います。
また、
人が生きるということは苦しみの連続なのだ
とも書かれています。
コロナウイルスによって生活がガラリと変わり、苦しみの中で生きていかなければならない状況ではありますが、そもそも生きるということは苦しみの連続なんだと思えれば、その中でも一瞬の極楽を見つけながら生きていくことは出来るのかもしれません。
毎日ニュースもコロナ関連で騒がしい世の中ですが、
もし興味があれば是非読んでいただけたらと思います。
